(自作番外編)
パッチケーブルを作る!
エフェクトを使用するには無くてはならないパッチケーブル。
でも質の良いものは結構良い値段しますよね。
もちろん、それに見合うだけの音の良さはありますが、
庶民としてはやはりできるだけ安くすませたいところ。

なので、自作番外編としてパッチケーブル作ってみました。
とはいってもエフェクタ作れるくらいの人なら
そんなの参考にするまでもないはずですけれども、
ジャックによっては意外とハンダ付けが難しかったりします。
ここではハンダ初心者の方にも上手く作れるように
ちょいとしたコツなどを交え、簡単に紹介しようと思います。

これは普通おまけなんかで付いてきたりする激安ケーブル。
なにしろ安いですしお手軽なんですが、
やはり一般的には音が悪いものが多いです。
それに耐久性も×で、酷使しているウチに簡単に断線しやすい。
ま、安いので使い捨て感覚でも良いんですが。
仮に断線してもハンダし直すなどもできませんしね。

でもね、一番下の緑のヤツ、
こないだeBayで緑マフ落札したときに
出品者がオマケで付けてくれたメリケン製なんですが、
これは驚いたことにかなり良い出来です。
中には質の良いものもあるので、
一刀両断に切り捨てるのももったいないカモね。

今回はお手軽に済ませるために、
既製品の長いケーブルを流用してみようかななんて。
まずは半分のところでバキッとブった斬ってみます。

切ってまずは一番外側の皮膜をムキムキする。
カッターナイフでぐるっと一週切り込みを入れて、
うりゃ!っと引っ張るとスポッと抜けます。
ただし、カッターで力を入れすぎると
なかのシールドまで切れてしまうので、
力の入れ加減は超慎重にね。

外に見えるアミアミの銅線がシールドと呼ばれるもの。
この構造から、一般的にケーブルのことを
「シールド」と呼ぶんですな。
この構造の意味はそのシールドという名のごとく、
外から入ってくるノイズから、音声信号を守るために考えられた構造。
音声信号は一番中の細い心線の中を通り、
外側のシールドによってノイズから守られるのです。
構造上、中の心線が細くなってしまうので、
特に高周波になると信号が減衰しやすいという欠点もあるのですが、
仮にシールド構造のないケーブルを使うと
マジでノイズが凄いことになります。
だからこうした楽器用のケーブルだけでなく、
AV機器の映像・音声ケーブル、
ウォークマンのヘッドフォンの細いケーブルまで
シールド線が使われます。
でも、電源ケーブルや、スピーカーコードなど、
電流の多いパワーの高い信号を送るケーブルは
普通のケーブルでも問題ないんですね。

さて本題に戻りますが、
外の皮膜を向いた後は、シールド線を
こうやってまとめて撚っておきます。
その後、中の心線もムキムキしておきます。

その後は、こうやってハンダを先にしみこませておきます。
通称ハンダメッキという手法。コレマジで大事です。
シールドケーブルに限らず、エフェクトの内部配線などの時も
かならずハンダメッキはしておきましょう。
こうすれば実に簡単にハンダ付けできます。
初心者の方は意外と知らないテクニックの一つ。

今回はL字型のジャックで一番よく見かける安価タイプを使います。
これ以外のL字ジャックって、6〜700円するんですよねぇ。
確かに作りは堅牢ですし、音も良さそう、
ハンダ付けもし易いのですが、
貧乏人としては微妙な値段です。
それなら完成品のケーブル買うのとほとんど変わらなくなりそうだし。

ま、とにかく今回はこのジャックを使います。
まず加工前に一番大事な作業。
よく見て欲しいのですが、ハンダ付けする箇所に
ヤスリでガリガリけずって表面に傷つけておきます。
心線の部分は簡単にハンダが乗るのですが、
外側の方はコレしないとまず絶対にハンダが乗りません。
100Wのコテでも辛い感じよ。
ヤスリは100円ショップで簡単に買えますので、
問答無用で買ってきましょう。これマジ。
本当は半田ごてもやっぱり60W以上欲しいのですが、
自作ヘヴィユーザでないとあまり使わないので、
今回は30Wでチャレンジ。
さすがに20Wではかなり辛いです。
100円ショップでも手にはいるようですので、
20Wしか持ってない人は買ってしまいましょう。

これもケーブルの時と同様、先にハンダを付けておきます。
心線の部分は簡単にハンダが乗りますが、
外側はかなりキツイです。
まずはコテを強く押しつけて15秒くらいかけて熱します。
その後にハンダを大量にながしこみます。
するとガリガリ傷を付けた部分にこのように
上手い感じにハンダが乗ってくれます。
ガリガリしないと確実にすぐにぽろっと取れてしまいます。

あ、そうそう、この作業中はジャック全体が
もの凄く、むっちゃくちゃ、想像以上にアツアツになります。
ちょろっとでも手に触れれば確実に火傷すること間違いなしです。
ですので、これまた100円ショップで簡易万力を買ってきましょう。
これ普段の作業の時にも作業台としてかなり使えます。

以上のように先にハンダメッキを施しておけば、
簡単にケーブルはひっついてくれます。
外側は再度ハンダを溶かすのに
結構時間がかかりますので、
ビニルの皮膜が溶けたりしないように注意しましょう。
良く目視してショートなどしていないかチェックしたら
蓋を閉めて完了です。
ね、ヤスリガリガリ&ハンダメッキというテクを使えば
本当に簡単にできますよ。

あらよっと、たくさん完成しました。
大量に作りたい人は、パッチケーブルじゃなくて
普通のシールドを一本買って、切って使えば便利です。
1m程度でしたら高級ケーブルでも安く買えますしね。
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