Fuzz Face (改造版) を作る!
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ご存じJimi Hendrixが愛用したあの丸い形のファズです。
これ知らないなんてヤツは本当にギター演ってるの?って感じ。
オリジナルの回路は、トランジスタ2石でひたすら増幅じゃ!って回路で、
とにかくひたすらゲインを稼いで音を歪ませるという原始的な回路。
楽器屋さんで試奏したこともあるのですが、コントロールはゲインは最大で固定、
トーンもちょっといじると音がこもっちゃって使えない、
そしてなによりギターとアンプをえらく選り好みするので
かなりじゃじゃ馬な扱いづらいエフェクトといった印象がありますね。
でも、ダイオードクリップな回路とは違うので確かに独特の音です。
しかしああも扱いづらいとへなちょこギタリストとしてはまいっちんぐなので、
今回作るのは改造版です。
「土日で作るオリジナルエフェクター」というムックが出ていましたので、
そこに出ていた回路を参考にしました。
ただ、この本はサンレコ誌での連載が元となっているので、
パーツ選びなどかなりピュアオーディオマニアの懲り方に近いものもありまして、
一部おまじない的な話も多いのですが、
たしかにその理論は正しいし、音も間違いなく良くなりますが
オイラはそんな面倒くさいことは嫌いなので(笑)
パーツも安いもの、製作も基板を使ってお気楽に作ることにしました。
それでも、電解コンデンサなどはちょっとだけグレードの高いヤツ買ってみましたけどね。
はたしてジミヘンの音は出せるのか?


記事ではバージョンアップ版の回路図は省かれていましたので、
とりあえず回路図は自分で書き起こしてみました。
中央部分のトーン回路がかなり凝った作りでして、
面白い音作りが期待できそうです。
パーツリストはこちら。あくまでオイラが今回作ったのに使った一覧です。
要らないのは省いても無問題。
パーツリスト
トランジスタ 2SC945など 20円×2
コンデンサ 0.047μF マイラ、セラミックなど 20円
2.2μF 電解 15円
10μF 電解 15円
33μF 電解 15円
抵抗
(金属皮膜がベター)
470Ω 5円
910Ω 5円
8.2kΩ 5円
33kΩ 5円
1MΩ 5円
10kΩ(LED用オプション) 5円
ヴォリューム 1kΩ Aカーブ 100円
50kΩ Aカーブ 100円
500kΩ Aカーブ 100円
ツマミ 合えばなんでも良い 3 300円
LED ブラケット入りが便利
(オプション)
100円
ジャック
(クリフのは良い)
モノラル 100円
ステレオ 120円
(参考)クリフS2 200円×2
フットスイッチ ミヤマ DS-008 (6Pタイプ)
3Pタイプでも可
450円
電池スナップ 006P用 50円
電池ケース 006P用 1 100円
DCジャック 50円
ケース タカチ TS-11 980円
ユンバーサル基板 適当なヤツ
線材 必要分
スペーサー 適当なヤツ 20円
ネジ スペーサに合うヤツ 20円

値段は参考値です。秋葉原を歩き回れば多少上下します。
抵抗は金属皮膜抵抗を使えばノイズ低減に効果があるかもしれないが、
そもそもこんな簡単な回路に無理して高級品を使うこともないかもしれない。
トランジスタは小信号用NPNのシリコンならなんでも大丈夫だしょ。
この2SC945の他には2SC1815なんかが安くて有名だね。GRとかYとかのランクも無視してOK。
コンデンサも0.047はフィルム、マイラ、セラミック、積層セラミックなどでOKだべさ。
セラミックだと高域特性が向上する可能性もあるが、ノイズには弱そうな感じ。
2.2と0.047はこだわってみても面白いだろう。


これが完成した基板。製作記事ではラグ板で空中配線していたが、
(確かに音が良くなる可能性は高いが)オイラは面倒くさいので、
小物パーツ類は基板で組んでしまうことにした。
基本回路は左上の部分。
右下のコンデンサと抵抗は記事の改造部分の要、トーン回路部分である。
これもやはり部品点数が少ないので、回路図から基板にするのも楽ちんだね。


ケースの加工が完了したところ。
今回はタカチのTS-11を使用。ちょうどロシアンビッグマフくらいの大きさ。

入出力ジャック、DCジャック、フットスイッチの穴は大きいので、
ドリルで小さい穴を空けた後リーマーでグリグリやるのだが、
その作業がまた大変。今回もまた左手に切り傷数カ所作ってしまいました。


ケースにパーツを取り付けたところ。
図面を起こさず、その場でパーツを配置して適当に穴を空けるので
真ん中のヴォリュームが斜めにしないとショートするような状態。
でも、表から見ればなんら問題ないので、その辺は愛嬌。


配線が完了したところ。
自作マニアから見ればかなり汚い配線でお恥ずかしいですが、
とにかく面倒くさがりでいつも適当にすますオイラとしては、
かなり綺麗に出来た方だと思う(笑)
普段はもっと醜いことになるのが普通だもんね。
動作に問題がなきゃそれでいいや的主義。
一応、ギターからの信号が直で通る部分は太い線材を使用。
最初ヴォリュームの配線を逆にしてしまって、
音を出したら回す向きが逆なので焦ったけど(トホホ)。
基本的に安いパーツで組んでますが、ジャックだけは英クリフ製の高いヤツを使用。
たしかにプラグの抜き差し具合がかなり気持ちいい。


で、完成品。とりあえず名前はファズフェイスカスタムとしました。
カスタムの綴りこれで良いんだよね?

で、音を出してみましたら・・・おおー結構ぶっといねー。
フルテンにすると結構ノイズが酷いな。これはオイラの作り方の問題かな。
自宅ではアンプがないMTR(BOSS BR-8)なライン環境なので、
正直とても本来の音が出ているとは思えないくさい。
ラインでは扱いが難しそうだ。コントロールもかなり難しいや。
やはりじゃじゃ馬ちゃんだね、こいつは。
でも、トーン部分はかなり面白くて、そうとう音色が変わります。
う〜ん、そう簡単にはジミヘンにはなれそうもないね。
やはり彼は偉大だ!
使いこなすにはもうすこし修行が必要のようです。

その後、スタジオでメサ・ブギーで鳴らしてみたのですが、
ラインの時とはうって変わってあの爆音サウンドが炸裂!
やっぱりちゃんとしたギター・アンプで鳴らすのが必須のようです。
こいつでソロを弾くとかなり気持ちいい。
BIG MUFFのそれとは全く違う「ブっとさ」があり、弾き手に快楽を与える。
低音弦ではブリブリし過ぎるくらい。
ゲインを上げたときにはコードプレイはほとんど不可に近い。
とにかくライン時とアンプ時の音の差にびっくり。

あとで時間があったらゲルマ版もチャレンジしてみるか。
でも、2SC / 2SDのゲルマなんて、もうマジで絶滅状態だよな。
2SA / 2SBはまだ探せば見つかるんだけど。
・・・そうか、電流の向き変えればPNPでもそのまま良いんだね。
これも後で挑戦してみようっと。

2004.04.25追記
とまぁ作ってはみたものの余り使ってないのが実情。
よくよく例の本を読みますと、どうやら著者の先生は
あまりエグイ効果のエフェクトはお好きではなさそう。
う〜む、一度オリジナルに近い形でもう一度作り直してみるかな。
ゲイン可変は便利なので参考にするとして、やはり50kΩではイマイチかも。
ココはオリジナルの定数に近い100kΩのボリュームにしてみようかな。
トーンはオリジナルをそのままにしてみよう。
とりあえずPNPタイプで作ってみるかな。
そしたら、そのままの基板でシリコンとゲルマ差し替えで試せるし。

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