現行機種でもあるので、回路図はココでは載せないことにする。
海外サイトに一つだけあるのは確認している。
PCB、配線図付きのナイスなものだが、
回路図がやや雑なので、ユニバーサルで作るとちと面倒。
でも、PCBもそもそもトランジスタの足があちらと日本製で違うので、
頑張ってユニバーサルで組んだ方がベターかと思われる。
ま、基板上の回路は至って簡単なので苦労することはないだろう。
しかし、ボリュームが5つというので配線するのはかなり大変そうだ。
基板上だけでは回路のイメージがまったく沸いてこない。
回路構成は基本的に増幅による歪みか、
定数をずらして石を非正常動作させて歪みを得るか、
あるいはその組み合わせか、ってな感じの回路のようであるが、
とにかくいじれる部分はすべてボリュームにしちゃおうみたいな発想くさい。
電源電圧までボリュームが付いてるからね。
よくもまぁ、こんな事考えついたものだ。
パーツリスト |
トランジスタ |
2SC945などシリコン |
1 |
20円 |
PNPのゲルマ |
2 |
150円〜×2 |
コンデンサ |
0.1μF マイラ、セラミックなど |
1 |
10〜20円 |
10μF 電解 |
3 |
15円×3 |
抵抗
(金属皮膜がベター) |
470Ω |
1 |
5円 |
5.1kΩ |
1 |
5円 |
10kΩ |
1 |
5円 |
47kΩ |
1 |
5円 |
220kΩ |
2 |
5円×2 |
ヴォリューム |
5kΩ Aカーブ |
1 |
100円 |
5kΩ Bカーブ |
1 |
100円 |
10kΩ Bカーブ |
3 |
100円×3 |
ツマミ |
合えばなんでも良い |
5 |
100円×5 |
ジャック
(クリフのは良い) |
モノラル |
1 |
100円 |
ステレオ |
1 |
120円 |
(参考)クリフS2 |
2 |
200円×2 |
フットスイッチ |
ミヤマ DS-008 (6Pタイプ) |
1 |
450〜500円 |
電池スナップ |
006P用 |
1 |
50円 |
電池ケース |
006P用 |
1 |
100円 |
DCジャック |
− |
1 |
50円 |
ケース |
タカチ TS-1 |
1 |
980円 |
ユンバーサル基板 |
適当なヤツ |
1 |
? |
線材 |
必要分 |
− |
? |
スペーサー |
適当なヤツ |
2 |
20円 |
ネジ |
スペーサに合うヤツ |
2 |
20円 |
値段は参考値です。秋葉原を歩き回れば多少上下します。
抵抗は金属皮膜抵抗を使えばノイズ低減に効果があるかもしれないが、
どうしても高級にしたい場合は、信号が直接通る部分だけで良かろう。
(具体的には5.1kΩとか470Ωあたりかな)
どうせほとんどの抵抗部分はボリュームでいじり回すんだし。
1段目のトランジスタは小信号用NPNのシリコンならなんでも大丈夫だしょ。
この2SC945の他には2SC1815なんかが安くて有名だね。
GRとかYとかのランクもとりあえずは無視してOK。
2〜3段目のPNPゲルマニウムトランジスタは、これまた絶滅危惧種。
型番を書いてしまうと買い占めてしまう大バカ野郎が現れるかもしれないので
ココでは秘密にさせて頂くことにする。
オイラが今回使ったのは比較的手に入れやすかったもの。
新品も確保してあった型番だが、ぶっこわれた骨董のラジカセから
抜き取った同じ型番のヤツがちょうど2本あったのでそれを利用することにした。
外観も黒ずんでいてエージングも十分そうだ(笑)
とりあえず「PNPの小信号用のゲルマ」と念仏を唱えながら秋葉原中を捜索せよ。
ま、発振させやすくするには、ゲインの低い石の方がベターかもね。
コンデンサも0.1μはフィルム、マイラ、セラミック、積層セラミックなどでOKだべさ。
セラミックだと高域特性が向上する可能性もあるが、ノイズには弱そうな感じ。
電解10μは初段と最後段の直接信号が通るところはこだわってみても可。
オイラは1ランクだけ高級なものにした。
それでも15円のものを20円のものにしただけ。
|

これが完成した基板。
入手した回路図にはPCBイメージも付いていたのだが、
どうせ石の足の順番が違うし、エッチングで基板作るのも面倒くさいので
またまたユニバーサルで済ませることに。
トランジスタは3石で初段がNPNシリコン、
残りがPNPゲルマニウムの組み合わせだが、
発振するということからして石の選択もシビアかもしれないと思い
一応いろいろ差し替えて試せるようにソケットにしておくことにした。
オイラがユニバーサルで作るとき、回路図を見ながら信号の流れに沿って
イメージしながら順番に部品を刺していくのだが、
なにせあちこちにボリュームが付いていて基板上で回路がとぎれるので
結構時間がかかったべさ。
|

ケースの加工が完了したところ。今回はタカチのTS-1を使用。
なにせボリュームが5つもあるので横長タイプを選択。
5つって、ったくその穴あけが大変だったわよ(笑)
入出力ジャック、DCジャック、フットスイッチの穴は大きいので、
ドリルで小さい穴を空けた後リーマーでグリグリやる。
ドリルの周りに円形のノコギリが付いていて簡単に大きな穴が空けられる
10mmくらいのホールソーを買いたいのだが、結構値段が高い上に
「電動ドリル」用なので、オイラが使っている「電動ドライバー」には
付かないかもしれないみたい。軸が6角のタイプが欲しいのよね。
その辺詳しい人、情報求む。 |

ケースにパーツを取り付けたところ。
例によって図面を起こさず、その場でパーツを配置して適当に穴を空けるのだが、
今回はボリュームが5つなので、あまり余裕がないような状態。
どうしても基板がボリュームの上に被るので、
やや長めのスペーサを使って基板を浮かせて固定することにした。
回路からして電池は相当長く持つはずだが、
一応念のため外部電源も使えるようにDCジャックも付けておくことにした。
入出力ジャックも、抜き差し具合が何とも気持ちが良いので
クリフ製のちと高級品を奮発して使用することにした。
今回はトゥルー・バイパス仕様にするため、LEDは追加しないことにした。
もちろんオリジナルには元々付いていない。
3PDPのスイッチを使うか、ミレニアムLEDにすれば
簡単にLEDを追加できますでっしゃろ。
|

内部配線が完了したところ。
自作マニアから見ればかなり汚い配線ですが、
とにかく面倒くさがりでいつも適当にすますオイラとしては、
かなり綺麗に出来た方だと思う(笑)
普段はもっと醜いことになるのが普通だもんね。
一応、ギターからの信号が直で通る部分は太い線材を使用。
でもさすがにボリュームが5つもあるので、
基板の下には恐るべき光景が隠されています(笑)
黒ずんで年季の入ったゲルマTrが渋さを演出しています。
|

で、これがその完成品。
その極悪なサウンドにふさわしい表記をいろいろ考えた結果、
こんな感じにしてみました(笑)
両端には100均ショップのダイソーでゲットしたキティちゃんシールで
さらに極悪度に凄味を持たせました。
でもよく見たらこのシール転写式のボディシールだった。
すぐはがれちゃうな、こりゃ。
いままで製品名伏せ字にしてたのにバレバレじゃないのよ。
ツマミは密集することが予想されたのでとりあえず小さいのを買ってきたが、
高さまで短かったので、横から見るとだいぶツマミが浮いています(笑)
わざわざVRの軸を切るのも面倒くさいので、そのままにするか。
で、音を出してみましたら・・・おお!すんげーナイス!!!!!
とにかくいじる箇所がいっぱいなので、なれるまで苦労しそうだが、
発振しないように上手く調整したときの音はかなり良い!
過激ながら高域の抜けも良く、コードも弾ける。
そしてやはりゲルマ石なので特有のジリジリ感が気持ちよい。
このへんはマエストロのFUZZ TONEにも近い感じがあるが、
電源が9Vだし初段がシリコンTrなのでゲイン、音圧は断然こちらが上。
コードが弾けるようにしたときの音は、BIG MUFFの音の粒を細かくした感じというか、
RAT2の感じにも近からず、遠からずってな感じかもしれないが、
ゲルマ特有のジリジリ感が顕著なので印象は全く違う。
今まで作ったFuzz Face / Fuzz Toneはかなりアンプを選び、
自宅ではライン(BOSS BR-8のシュミレータ)なので
あまり気持ちいい音は出せなかった。
(スタジオでメサ・ブギーで鳴らしたら最高だったけど)
しかし、こいつはラインでもそこそこ気持ちの良い音が出せる。
この安定感はビンテージではなく現代ものに近い感じだ。
ややノイズが酷いのは愛嬌としても、ノーマルセッティングはかなり使える!
お次はブチブチ途切れるようなサウンド。
まったくサスティンが出ないジリジリブチブチ感もかなり面白い。
でも、バンドで演奏したら埋もれてしまうかもしれないな。
お次は極悪の極み、発振サウンド。
発振してしまうと、何も弾いていないときにも常にピーゆうてるので
奏法がかなり決め手となるが、
ソロを弾いて音をのばした後に気持ちよく発振してくれれば最高だな。
この発信音のピッチは4つのボリュームによって制御するので、
とにかくセッティングにはかなりシビアだ。
それにピッチも1弦12フレットくらいまでしかでないので、
ミドルエリアでのプレイにあわせて発信音のピッチを調節するしかないようだ。
このへんは石の種類によって変化する可能性はある。
でも、その発振状態でDriveノブを回せば
アナログシンセ的な音になるので、飛び道具としても面白い。
ただし、発振設定時のノイズもかなりのものなので、
やっぱホントに飛び道具的に使うしかないのかな。
でも、とにかく音といい、安定性といい、今まで作ったFUZZでは最高!
こいつはしばらく遊べそうだ。
|