無歪みブースターを作る!
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ちゃんとメニューが表示されます。
その名の通り音をブースト(増幅)するだけのエフェクターです。
歪み系のエフェクトでゲインを最大にすれば音も大きくなりますが、
このエフェクトはほとんど歪まないタイプ。(受け側の入力限度を超えればそこで歪むけど)
現在もブースターと称するエフェクタがハンドメイド系を中心にあるみたいですけど、
結構クセを付けるのが目的というか、イコライザ的な使い方っぽい感じ。
何の味付けもせずにただ単に音を大きくすると言うこのタイプは
現在あまり市販されていないようですが、
その昔はアンプもエフェクタもゲインが低くてあまり歪まなかったので、
こういった類のブースターが結構需要があったそうです。
今の使い方としては、ビンテージ・ハンドメイド系のエフェクタの前に繋いで安定させるとか、
歪みエフェクトをクランチ程度のセッティングにしておき、
ここぞの場面でONして歪みをぐーんとアップさせるとか、
1台あるとそれなりになかなか便利だと思いますです。


こいつがその回路図。その昔、海外大手メーカーが1万円以上もの値段で売っていたみたい。
ギタマガムックの大塚明氏著「ハンドメイド・プロジェクト2」を参考にしました。
残念ながらすでに絶版。もう10年前だものな。
そのままスキャンするのもどうかと思うので、とりあえず回路図は自分で書き起こしてみました。

パーツリストはこちら。あくまでオイラが今回作ったのに使った一覧です。
要らないのは省いても無問題。
パーツリスト
トランジスタ 2SC945など 20円
コンデンサ 0.1μF マイラ、セラミックなど 20円*2
抵抗 390Ω 5円
10kΩ 5円
47kΩ 5円
470kΩ 5円
1MΩ 5円
10kΩ(LED用オプション) 5円
ヴォリューム 100kΩ Aカーブ 100円
ツマミ 合えばなんでも良い 100円
LED ブラケット入りが便利
(オプション)
100円
ジャック モノラル 100円
ステレオ 120円
フットスイッチ ミヤマ DS-008 (6Pタイプ)
3Pタイプでも可
450円
電池スナップ 006P用 50円
DCジャック 100円
ケース タカチ YM-100
(TS-1 / TS-11などを推奨)

TS-1 : 790円
TS-11 : 980円
ユンバーサル基板 UP-204 (1/2) 120円
線材 必要分
スペーサー 適当なヤツ 20円
ネジ スペーサに合うヤツ 20円

値段は参考値です。秋葉原を歩き回れば多少上下します。
ケースはもう少し大きなのを使いましょう。YM-100だとかなり、そーとーキツイです。
抵抗は金属皮膜抵抗を使えばノイズ低減に効果があるかもしれないが、
そもそもこんな簡単な回路に無理して高級品を使うこともないかもしれない。
でもたった5本だからたいした出費ではないけれど。
トランジスタは小信号用NPNのシリコンならなんでも大丈夫だしょ。
この2SC945の他には2SC1815なんかが安くて有名だね。GRとかYとかのランクも無視してOK。
コンデンサもフィルム、マイラ、セラミック、積層セラミックなどでOKだべさ。
セラミックだと高域特性が向上する可能性もあるが、ノイズには弱そうな感じ。

ちなみに今回は製作記事そのまま作るのではなく、
SWを6P化して電源はINにプラグが刺さっていてかつエフェクトON時のみ通電するように改造。
SWが3Pの場合は、プラグが刺さっている時は常に通電することになります。
でも、回路電流は極小なので、6Pにしなくても電池は異常なほど長く持つでしょう。
さらにDCジャックとLEDインジケータを追加(←このLEDのためにSWを6Pにしたようなもん)。


まず、ブレッドボードで組んでみて実用性があるか確かめる。
簡単な回路だから、組むのも楽ちんだねん。
で、実際使ってみて・・・うむ、ゲインを最大に上げると多少ノイズが気になるが、
音はクリーンなまま(そりゃ受け側の限度を超えれば歪むけど)音量がぐ〜んとUP!
試しにFUZZ TONEの前に繋いでみたら、歪みも増すし安定度も良くなった。
よし、制作決定だべさ!


できあがった基板。UP-204って型番の正方形なユニバーサルを使用。
基板に載せる部品はこれだけ。マジで簡単でしょ?
今回は組み込むケースが極小なので余分な部分をカットしてしまう。
ちなみに一番右の抵抗10kΩは、LED点灯用にオイラが追加したもの。
ホントはLED部分の回路もちゃんと設計した方が良いんだろうけど、
とりあえず光ればいいので細かいことは一切気にしない、気にしない。


ケースを加工。今回は手持ちのちいこいケースを使用するので
かな〜り中身キツキツです。配置をよく考えながら作業を進める。
でもアルミに穴を空けるのは大変です。前は手動ドリルでゴリゴリやってましたが、
いまは激安電動ドライバにドリルの刃をつっこんで無理矢理空けてます。
でも力のないドリルなのでやっぱり大変。
今回の作業でも右手2カ所に軽く切り傷作成。


配線材に太い線を使ったこと、長さも大きく取ったので、
ふたが閉まらず大変な状態です(笑)とても中はお見せできません。
無理矢理押し込んでぎゅぅっと押さえたままネジ締めて
ようやく完成。絶対どこか線がつぶれたりしてるよな。
それに、基板止め用のネジ穴ですが、電池のスペースを忘れてしまったので、
右の穴はダミーです(笑)シールで隠してるけど。

(ちょっと高かったけど)銀色のインクジェット用紙買ってきてロゴを印刷。
とりあえず「クリーン・ブースター」と名付け、端子の表示も付けてみますた。

かなり中身キツキツで見た目も悪いですが、無事動作いたしました。
ゲイン最大にするとかなりノイズも目立ちますが、
ビンテージ・ハンドメイド系のエフェクタの前に繋ぐと
かなり使いやすいですし、歪みもぐーんとアップ!
エフェクトON時は、やや音がマイルドになる感じ。
コンデンサをセラミックにするとか、石を変えてみるとキャラも変わるかもね。
サイズも手のひらサイズで持ち運びも便利。
とりあえずこれで完成といたしました。
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