Big Muff Pi

U.S. 第2期 ラムズ・ヘッド(EH3003)タイプ 概要考察編


これがU.S.第二期ヴィンテージの通称ラムズ・ヘッド・タイプ。
その希少性、有名アーティストの使用、某漫画への登場などで、数あるマフの中でもダントツの人気を誇る。
それまで店頭試奏は何度かしたことはあったものの、
なんだかんだ苦労してワシが最初に所有権をゲットしたのがこの個体。
2004年の終わり頃にゲット。eBayで$236+送料$23.25也。
合計約3万1千円ちょいっというところかね。
貧乏人にとっては貧血を起こしそうな値段だが、国内店頭では平気で5〜7万とかするし、
マジで日を追うごとに価格は暴騰している。
そのeBayでも2007年現在ではいつも$400越えが常で、ホントに入手には苦労する。
そもそも市場に出回る数自体が極端に少なく、世界中で争奪戦が行われる始末だ。
しかもこれまでeBayやamazon.comなどなど
海外からかなりの買い物をしているのだが、今回初めて関税を取られたぁー!
開封されてチェックされた様子。で、関税700円+通関料200円取られてしまった。
関税掛ける掛けないの基準が曖昧でなんか損した気分だが、ま、取られてしまった物は仕方ない。

で、到着してさっそくチェック。
かなり使用感はあって、なぜかπ(パイ)のロゴが執拗に削られていたり、
スイッチの踏みすぎか表面パネルが少しゆがんでたりしてるが、
音自体は無問題の様子。ガリなども無い。
でもトーンのツマミは向きが他のと逆だね。RATと同じで右に回すと音がこもるタイプ。
つっても回路が違うのではなくて、おそらくボリュームが基板に直付けなので
基板のパターンの具合で仕方なくそうなった様子。
その他筐体の作り、大きさ自体は3期型と全く同じ。ペイントが違うだけのようだ。




ラムズ・ヘッドと言う名称は、右下にエレハモの女性の顔のロゴがあるのだが、
それが見方によっては雄羊(ラム)の顔にも見えることから
いつの間にか雄羊の頭(ラムズ・ヘッド)としての呼び名が定着したらしい。

・・・、どう?羊に見える?私にはようわかりまへん(笑)
なんかケータイのQRバーコードみたいだね、こりゃ。
ふとケータイで試してみたけど反応無しでした(笑)




背面の様子。こちらもほぼ3期と同じ感じだが、外部電源ジャックを増設しようとした穴が空いている。
こういうのはヴィンテージ的価値に影響しちゃうのよね。

通常の第3期型の背面はこうだから↓

穴の位置も違うし、工具によると思われるキズがあるから
おそらく前のユーザの手によって開けられた物だろう。
つまりオリジナルは外部電源は使用不可であると断定できる。

スライドスイッチもてっきり3期と同じ"TONE-BYPASS"かと思いきや、
表記はON / OFFで、スイッチをOFFにすると音が出なくなる。
あれ、ぶっ壊れてるのか?って疑問は中身を見て解決することに。





これが内部の様子。基板がかなりデカいね。
3003の文字。第二期はEH3003との型番のようだ。
ちと脱線すると、この3003型はGuildのFoxy Ladyというものもあり、
エレハモがOEM供給していた物があるようだ。
そのFoxy Ladyにもいろいろパターンがあるのだが、
いわゆる3ノブタイプがこのマフと同じタイプに当たる。
しかしそのGuildの物は本家エレハモよりも希少性が高くてかなりレア。
eBayでも滅多に出ないしお値段もエレハモよりかなりお高め。
さらには実は第3期の初期型にも中身がこの3003型という物もある。

まず外部電源端子増設を試みた関係で電源ラインが弄られた形跡あるかもしれないが、
てっきりTONE-BYPASSかと思っていたスライドスイッチは、単なる電源スイッチのようだ。
基板のTONE回路には一切配線出てまへんし、そもそもスイッチが3Pなので、
これはオリジナルの状態で電源スイッチであったと推測できる。

電池は3期と同じく発泡スチロールのような物で固定していたと考えられる。
この個体はその部分が欠落し、両面テープの残骸もある。
でどうなっていたかというと、電池を適当なスポンジにくるんで
基板とパネルの間に無理矢理押し込んであった!オイオイ、乱暴だねぇ。


オー怖わ。直付けボリュームの足がひん曲がってますがな。
ココは後で006P用のプラケース買ってきて補修しておくことにしよう。
で、配線が何しろ切れそうで怖いのでこれ以上の分解はまだだが、
隙間から基板上の部品を覗いてみると、石はBC239Cなるシリコンが4つ。
この石は中期以降のほとんどのラムズヘッドで用いられている。
ググって調べたところ特性にクセはなく、一般的な汎用タイプのようだ。

抵抗はAB製っぽいカーボンコンポジションを中心に、普通のカーボンも混ざっている。
コンデンサは普通のセラミックと電解はよく見るタイプだが、
4つある0.1μがなにやらよくわからん素材のも見受けられる。
詳細はさらなる解剖まで待たれたし。

入出力ジャックは3期と同じく日本製。輸入してまでも使われていると言うことは
性能が良かったのか、あるいは安かったのかね。
フットスイッチは3期チキンノブでもよく見られる3Pタイプだ。



そうこうしているウチにオイラの参加しているThe Smashing Pumpkinsのコピーバンド、
「すまばん」のスタジオの日が近づいてきた。コイツを爆音でならすチャンスなのだが、
このままだと電池がプラプラでダメじゃんってことで、電池の部分だけリペアを行う。
っつっても両面テープで電池ボックス付けるだけだけどね。

まずは残骸の両面テープを剥がす。
その後でなぜか縦になっているフットスイッチも邪魔にならぬよう横向きに変更させてもらう。
で、このテープ、結構ベトベトに劣化していてなかなか取れない。
最初はカッターナイフで丁寧に削っていたけど、
そのうち面倒くさくなって手でオリャオリャー!っと引きちぎるハメに。

リペア完成。90円の006P用電池BOXだす。
簡単だけど、これなら持ち歩いても電池はしっかりホールドされるだろう。
ちなみに接着に使ったのは100円ショップのダイソーで買うてきたこれ。


「強力タイプ」を買うこと。ポスター貼る用とかのやわいヤツだとすぐ剥がれちゃうわよ。

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