Big Muff Pi

U.S.A.NYC製 第3期 オペアンプ・タイプ EH-3003型 概要解析編



このタイプも故障ジャンク品を持っていたのだが、
かなり程度が悪くて修理に難儀していた。
資料に乏しく回路図も1〜2個しか見つからず、しかも定数が怪しい。
それなら動くやつ手に入れちゃって解析すれば早いやって事で
2007年9月、ヤフオクにて18,000円にてゲット。
何故かこの時期比較的相場が下がってきてるのか、
金がないのにとりあえず軽い気持ちで入札してたら
そのまま競争無しに落札してしまい、金の工面に苦労したというシロモノ。
金のないときに限って相場が下がるとは。。。
俺は株には手を出さない方が良さそうだ。

外観はやや使用感があるものの、大きなキズは少ない。
ネジはサビが目立ち、長い木ネジ。どうやらオリジナルではなさそうだ。
出品者によるとガリ、接触不良ありとのことだが、
思ったほど酷くはなかったのはコレ幸い。使えないほどではない。
あとパネル、下部筐体に微少なゆがみがある。




背面のスライドスイッチはTONE-BYPASS。
このモデル以降の第3期型は、全てTONE-BYPASSになる。




背面は3期に関しては見た目だけは全て統一されている。
入出力ジャック、外部電源用の3.5φジャック、
TONE-BYPASSのスライド・スイッチ。



少し解りづらいかもしれないが、左下から下部にかけてゆがみが生じている。




そのゆがみが右下に影響している。
このゆがみ方は上部パネル全体がへこんでいるためだ。
フットスイッチ操作時に体重がかかるため、
このようなゆがみが比較的生じやすいのがU.S.版の欠点でもある。



内部写真。電池スナップは明らかに交換されている模様(秋月の¥10のやつ?)
それとスライドスイッチも6Pに交換されている。(千石で¥30のやつ?)
オリジナルは3Pのはずだ。
まぁ、電池スナップやスイッチ類は中古ショップ、リペアショップなどで
勝手に交換される場合も多い。
その辺の部品は消耗品くらいに考えないとね。
ウレタンの電池ホルダが左に寄っているのもご愛敬。
それ以外のパーツはオリジナルと思われる。

このモデルはエフェクトOFF時にもオペアンプ一段のバッファーを通る仕様になっているのだが、
よく見ると配線が改造して入力からそのままフットスイッチまで
持って行くように改造されているようだ。
その証拠に電源を入れなくてもOFF時に音が出る。
多くの内部写真を収集して解析したところやはり別の配線になっているので、
バッファーをスルーするように改造されたモノであろう。




型番は"EH-3003"
ラムズ・ヘッド基板も3003なので少しややこしいが、
3期最初期を除いて見た目も音も全く違うので、判別には苦労しない。
ポットの年代から、1979以降の生産。


とりあえず今回はココまで。
しかし、オペアンプマフもかなりいい音だ。
これだけ全く違う回路なのに、キャラクターは紛れもなくマフそのもの。
ブラインド・テストじゃわからんレベルだ。
EH1322もそうだが、ディスクリートに比べて粒はやや細かめ?
どちらかというとディストーションっぽい感じもする。
トーンの効きも良く、安定性もなかなか。
ただし、古いオペアンプは故障率も高いのが難点だが、
使い勝手は良いかもしれない。

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