Big Muff Pi

U.S.A.NYC製 第3期 ディスクリート(トランジスタ)・タイプ EH3034型 概要考察編



数々のバリエーションが存在するBIG MUFF Pi の中でも、
最もポピュラーで存在感のあるモデルと言っても過言ではないのが、
この第3期の後期、ディスクリート(トランジスタ)仕様のEH3034型だ。
現行のリイシュー・モデルは、このモデルの外観、内部回路を元に改良を加えたものである。
その現行リイシュー・モデルを除けば、おそらく最も個体数の多いモデルでもあろう。

この個体は友人からの借り物。
EH3034型で初めてじ〜っくりと解析することができた個体でもある。
写真の通り各所キズやサビが生じ、そこそこ使用感はあるものの、
ガリ等の演奏上支障を来すような問題はない。




背面スライドスイッチは、TONE-BYPASS。
また、ノブはラムズ・ヘッドから用いられている、
突起が出ている通称「チキン・ノブ」「ポインター・ノブ」と言われているタイプ。
EH3034型の中でも初期に作られたモノと推測される。
オペアンプ型からは突起の向きも統一されているので
視感上の操作性も向上している。

この後に出るのが、突起のない「丸ノブ・タイプ」である。
改造・交換されてない限り、第3期の丸ノブ型はほとんどがEH3034型と思われる。




背面は、少なくとも見た目は3期型はすべて共通。
入出力ジャック、外部電源用3.5φジャック、スライドスイッチといった構成。




内部写真。ディスクリートになって基板が小型化され、
歴代マフの中で中身のスカスカ度は最強だろう(笑)
配線はどうやら変更されている様子。
フットスイッチが日本製になっているが、この時期の他の個体でもよく見かける。
入出力ジャックと共に、日本製がよく使われているようだ。

配線以外のパーツ類はオリジナルと見受けられる。
電池固定用の発泡スチロールも健在で、比較的状態はよい。



基板パーツ実装面の様子。
各パーツが整然と配置され、エレハモにしてはかなりスタイリッシュ(笑)だ。

トランジスタは"2N5088"
この時期から現行に至るまで広く使われている一般的な汎用品。
クリッピング・ダイオードは"1N4148"。これも現在でも一般的な汎用品。
その他、抵抗もごく一般的なカーボン、
コンデンサも、マイラ、セラミック、アルミ電解と
全て特殊なモノではなく、現在でも主流の汎用タイプだ。



基板PCB面アップ。比較的スマートに作られている。
基板左下に"EH3034"の型番が確認できる。
オペアンプ型と比べてTONE-BYPASSの配線が多いので
配線はやや混雑している印象だ。
基板右上に一本抵抗が付けられているが、
コレはオリジナルではないと思われる。
位置、定数からしても目的は全く不明。
借り物なので弄くりすぎて壊すわけにも行かないので、
謎のままである。

Back