Big Muff Pi

U.S. 第3期 最初期型 ラムズ・ヘッド(EH3003)基板タイプ 基板徹底解析編


今度は基板、部品、定数などについて徹底解析してみる。
別項のラムズ後期型と比べてかなり音が違い、
むしろコチラの方が一般的なラムズ・ヘッドの音に近いような気がする。
しかし、まずポットが2つ交換されているので、その検証も必要だ。




内部写真。先のポット2つ以外は、配線、ジャック類もオリジナルと思われる。
電源ラインの500μの電解コンデンサが目を引く。





電源ON / OFF のスライドスイッチ。
何故か100Ωの抵抗が付けられている。
電流制限しようとしたのか、あるいは電源ジャック抜き差しの際の保護用なのか、
オリジナルなのか、後付なのか、
その目的も含め、かなりミステリーな部分。





定数を採取した基板パーツ実装面の拡大写真。
全体的には、ラムズ・ヘッドの基本的な定数のようだ。
別項で紹介している個体と比べ、特にコンデンサの定数違いがあるが、
かれこれ数十個体の中身を見てきた考察からは
先のカップリング系に0.1μしか使わずに電解コンデンサが一つもないというのは
かなり特殊な個体だと言える。

抵抗の値は、SUSTAINからアースに落ちる抵抗820Ωがやや小さめだね。
ココは1kΩや1.2kΩが多い。
ま、それでも他の多くの個体とほぼ同一、あるいは誤差の範囲内の近似値である。

怪しいと睨んでいたポットだが、VOLUMEには500kAというとんでもない値が付いていた。
Aカーブだけでも問題なのに抵抗値も高すぎるので、ココはさくっと100kBに交換した。
SUSTAINも100kAが付いていたが、同様にAカーブだと調整が難しく感じたので、
さくっと100kBに交換した。用いたのは24φのALPHA製。

では、以下に各パーツについて少し詳しく見てみる。





キモのトランジスタは、"BC239C"
中期以降のラムズの大多数ではこのBC239Cが用いられている。
基本的には他の用途でもポピュラーな汎用小信号用
の石で、
現在でも"BC239CTA"なる改良版が販売されている。





5つある灰色の0.1μのコンデンサは、おそらくメタライズド・フィルム?
カップリングは1μの電解コンデンサ。バイポーラではなく、極性有りの通常タイプ。
別項のラムズではこの1μが0.1μになっているモノもあったが、
数多く収集したラムズの基板写真解析などからも、
入力の10μ、カップリングの1μと電解コンデンサが使われている個体が多いので、
この値がラムズの基本に近いといえるだろう。

クリッピング・ダイオードは青い色だが、1N4148。新旧問わず多くの個体で使われている汎用品。
ループ段のセラミック・コンデンサも通常の汎用タイプ。





抵抗はほぼ全て現在出回っているものと同様の、最も一般的なカーボンタイプ。




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